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2009年8月

キチュリー

 前回のブログで、「インド料理には和食のふくめ煮と似たところがある」と書きました。

 それを読んだ、うちの奥さんが一言...

 「ふくめ煮ってなあに?」

 「...

 

 気を取り直して、今回は「キチュリー」。インド風のおかゆです。

 からだが温まって、元気がでる料理です。

 体力の落ちているとき、胃腸が疲れているとき、加工食品や外食が続いて自然な料理が恋しいときに、お勧めです!

11

 

 今回は、ふつうにつくるバージョンと、簡単バージョンの2種類があります。

 まずは、簡単な方から。

 

 13材料:

 残ってしまったダールスープ

 冷やご飯(冷凍のご飯も可)           

 

 量は、ご飯はその時食べきれるだけ。

 ダールスープは、ぼくはたいてい残っている量全部入れてしまいます。

 スープが少ないとおかゆのようになり、多いと雑炊のようになります。

 

 

 

14  作り方。

 お鍋に、ダールスープを入れて、ふたをして中火にかけます。

 沸騰しかかってきたら、冷やご飯(あるいは冷凍ご飯)を入れて、よくほぐし、ふたをして中火~弱火で加熱します。

 ご飯が温まったら、できあがり。

 味をみて、必要なら塩を足して下さい。

 ガラム・マサラがあれば、小さじ半分くらいふりかけて、全体によくまぜてから供しましょう。                                                        

 

 

1  続いて、ふつうにつくる場合の材料。二人分です。 

お米:カップ1

レッドレンティル:カップ4分の1

トマト:小1個くらい

しょうが:親指の先の半分くらい

塩:小さじ1くらい

ターメリック:小さじ1くらい

カイエン・ペッパー:ほんの少し

クミンシード:小さじ1くらい

大根(なくても可):長さ4センチくらい

 

2 ご米をといで、水を切り、鍋に入れます。                                                          

 

 

 

 

 

 

 

 

3 レッド・レンティルを洗って、水を切り、お米と一緒に鍋に入れます。

  お豆を洗うときは、軽く正面の汚れをとるように水の中でまぜる感じでOK。

 何度も水を替えて洗う必要はありません。                                                             

 

 

 

 

 

4  お水を加えます。

 お水3カップにすると、ふつうのお粥くらい。

 水の量を2カップ半くらいにすると、やや硬めのお粥になる感じです。

 できれば、この状態で30分くらいおいておきます。

 待てない場合は、すぐに炊き始めてもかまいません。

 

 

 

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 調理を始めるときに、ターメリックとカイエン・ペッパーを加えます。

 お鍋にふたをして、中火にかけておきます。                                                             

 

 

 

 

 

 

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 煮ながら、材料を入れていきます。 

 大根をサイの目に切って入れました。

 大根は入れなくてもかまいません。

 

 

 

 

 

 

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 トマトを細かく切って加えます。              

 

 

 

 

 

 

 

 

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 しょうがをすって、加えます。               

 体力が落ちているときや、からだを温めたいときには、しょうがの量を増やしてみましょう。

 元気をつけたいときには、にんにくをすりおろして加えるのもいいでしょう。                             

 

 

 

 

 

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 ふたをして、中火にかけておきます。

 吹いてきたら、軽くふっとうを維持するくらいに火を弱めます。

 時々ふたをとって、こげつかないように、鍋の底からかき混ぜてあげましょう。 

 ふっとうしてから10分ほど煮れば、お米が十分やわらかくなってくるはずです。 

 塩を加えて、味を調整してください。 

 

 

 

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 そろそろできあがり、というタイミングでクミンシードを油で熱します。

 やり方は、ダールスープのレシピに詳しく書きましたので、そちらを参照してください。

 豆とお米を煮ている鍋とは別の鍋(ちいさなフライパンとか)に油を熱し、クミンシードを30秒ほど加熱します。                                                            

 

 

 

 

18_2                                                              

 熱したクミンを、お米+お豆の鍋に加えます。

 お米が十分やわらかくなったらできあがり。

 お好みで、ガラム・マサラを加えてもけっこうです。                                                           

 

 

 

 

 

 

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 大葉があったので、細切りにしてちらしてみました。

ガラム・マサラ

 インドの料理は、「ガラム・マサラ」を活用することで、さらにおいしく食べられます。

 ガラム・マサラは、インドでよく使われるスパイスをミックスしたもの。

 お料理の仕上げに、香りをプラスする目的で利用されています。                        

 

 

1  スパイスの風味は、こわれやすいものです。

 調理をスタートしたときに入れたスパイスの香りは、お料理をつくっているあいだにどんどん失われてしまうのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo                                                             

 そこで、お料理がほぼできあがったタイミングで、ガラム・マサラを加えます。

 スパイスの香りをマックスにして、お料理を食卓に出せるのです。

 

 

 

 

 

 

Photo_2                                                             

 「だったらスパイスを、料理の始めではなく、ほぼできあがったあたりで入れればよいのでは?」

 ...これはあまりよろしくないのです。

 理由その1。

 インドのスパイス料理は、和食の「ふくめ煮」と似たところがあります。

 ふくめ煮がだし汁の旨味をじっりくと食材にふくませていくように、インド料理もスパイスの風味をじわじわなじませていきます。

 ふくめ煮で、だし汁を仕上げに入れても意味がないように、インド料理も最後になってスパイスを入れ始めてもダメなのです。

 

 

 では、理由その2。

 スパイスの中には、ある程度加熱してあげないとおいしくないものがあります。

 たとえば、ターメリック。

 ターメリックは、そのまま食べるとかなり苦いスパイスです。 

 でも、熱を加えていくと、だんだん苦味が抜けて、かすかな甘みが出てきます。

 こうしたスパイスは、お料理の最初から入れておかないと、具合が悪いのです。            

 

Photo_4                               

   ガラム・マサラにミックスするスパイスには、決まりはありません。          

 でも、料理の仕上げの段階で使うのが主な目的ですから、ターメリックは入れないのが普通です。

 また、辛味が強くなりすぎない程度にブラック・ペッパーを加えることはありますが、レッドペッパー(カイエン・ペッパー)のような強い辛味のスパイスはあまり使われません。

 塩味や辛味は、ガラム・マサラを入れる前にちょうどよく整えておいて、そのあと風味付けのためにガラム・マサラを適宜加える方が利用しやすいからです。                                 

 

 

 

 そうは言っても、ガラム・マサラにはバリエーションが豊富なので、かなり辛味の強いブレンドにしたガラム・マサラもあります。市販のものではたいてい、「辛いガラム・マサラ」として、風味メインのガラム・マサラと区別されています。

 辛いガラム・マサラは、おそばにかける七味とうがらしのような感覚で利用するといいでしょう。

 お料理を辛さ抑えめで完成させておいて、各自が自分の好きな辛さにガラム・マサラで調整するといった使い方ができます。

 最後に、ガラム・マサラの賢い利用法のヒントをまとめておきましょう。

  • 香りづけなので、使う量はわずかでよい。
  • ガラム・マサラをかけたら、全体によくかき混ぜて、なるべくすぐ食べる。すぐ食べた方が香りが強いので、ガラム・マサラを使う量も少しですみます。
  • 盛り付けるまでに間があるなら、鍋にふたをして、香りが逃げないようにする。
  • 遅れて帰宅したお父さんにカレーを温めなおして出すときなどは、その都度ガラム・マサラを加える。
  • 残った料理を翌日温めなおす時も、ガラム・マサラを入れて風味のリフレッシュ。
  • 風味が命なので、なるべく早めに使いきる。

 

 

 

レッドレンティルのダールスープ

 とても簡単につくれて、やさしい味わいのスープです。

 外食や加工食品が続いてしまったときに食べると、救われる気持ちになりますよ。

1                                                                                

20 インドでは、豆のことを「ダール」といいます。

 ダールスープとは、インド風の豆のスープ。

 いろいろな種類のダールがありますが、今回は、淡いオレンジ色をした「マスール・ダール」を使います。

 皮をむいた状態のレンズ豆で、「レッドレンティル」とも呼ばれています。

 

 

 

2 材料(2人分)

レッドレンティル:カップ1/2

トマト:小1個

しょうが:親指の先くらい

塩:小さじ1杯

ターメリック:小さじ1杯

カイエン・ペッパー:ほんの少し

クミンシード(粒):小さじ1杯

3                                 

もっとシンプルな材料でもおいしく作れます。

上の材料から、トマトとしょうがを外しました。

豆とスパイスだけ。保存がきくものばかりです。

 

 

 

 

 

4  では、作り方。

 豆を軽く洗って、水をきります。

 レッドレンティルは、すぐに煮崩れますから、事前に水につけておく必要はありません。

 いきなり煮始めて大丈夫です。

 余裕があれば、1時間くらい水につけておくといいでしょう。その方が短い時間で煮崩れやすくなります。                          

 

 

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 豆と水をなべに入れ、ふたをして弱火にかけておきます。

 吹いてきたら、吹きこぼれないくらいまで火を弱めてください。

 水の量は大切です。私は水気が多いスープが好きなので、豆半カップに水4カップくらいが好みです。これ以上水を増やすと、豆の味が薄まりすぎる気がします。

 ドロッと重いスープにしたければ、豆半カップに水3カップくらいでもいいでしょう。

 

 

 11豆を煮ているおなべを横目で見ながら作業を進めます。

 ターメリックとカイエン・ペッパーを小皿に入れます。

 カイエン・ペッパーは、味をひきしめる目的で加えるので、量はほんの少しでけっこうです。全然辛みを感じないくらいでOKです。

 辛いスープにしたい方はお好みで量を増やしてください。                      

 

 

 

 

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 スプーンで混ぜ合わせて、豆を煮ているなべに加えます。                                             

 

 

 

 

 

 

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  しょうがをすりおろします。

 おろしたしょうがは、豆を煮ているなべに加えましょう。                         

 

 

 

 

 

 

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 続いて、トマト。                   

 ここでは、大根おろしを使って、トマトをおろしました。

 湯むきして、ザク切りにしてもかまいません。

 これも、豆を煮ているなべに加えます。            

 

 

 

 

10                                       

  ときどき、ふたをとってかき混ぜてあげます。                           

 

 

 

 

 

 

 

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  20分も煮れば、豆がに崩れてきます。    

 ここで塩を入れて味をととのえます。

 塩は、はじめに入れると豆が煮えにくくなります。                         

 水気が少なくて飲みにくそうなら、水を足してください。                           

 

 

 

 

 

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 仕上げに、クミンシードを加えます。

 食欲をそそる香りづけになるし、こくもでます。                          

 

 小さいフライパンを中火にかけて加熱します。                          

 

 

 

 

15

 数10秒加熱したら、油を入れます。

 ここでは、マスタード油を使いました。

 インドでよく使われる、少し辛みのある油です。

 キャノーラ油やゴマ油でもいいでしょう。

 油は、フライパン全体に伸ばす必要はありません。 

 この写真のように、はしの方に集まっていても大丈夫です。                

 

 

 

 

17  

 油の温度をチェックするために、クミンシードを2、3粒落としてみます。

 てんぷらで油の温度を調べるのに、パン粉を落としてみるようなものです。

 クミンシードのまわりにシュワシュワと油が泡立つくらいになればOKです。             

 

 

 

 

18 油が十分熱くなったら、クミンシードを残らず油の中に入れます。

 クミンシードの香味成分や活性成分は油溶性なので、油の中に溶けだします。

 十分熱した油に加えると、クミンシードはパリッとカラが割れて、カラの中にあった含有成分が溶け出してきます。

 低い温度でジワジワ加熱すると、しけた煎餅のようになってカラが割れにくくなり、貴重な成分が溶け出しにくくなるのです。                   

 

 

 

 

19 クミンシードは、30秒ほど加熱したら、豆を煮ているなべに加えます。

 黒くこげるまで加熱しないように、注意しましょう。                                                         

 

 

 

 

 

 

 

1                                                             

 軽く混ぜたら、できあがり。                  

 

 

 

 

 

 

 

 

1                                                                          

 今回のおさらいです。

 

 

 

 

 

 

 

2                                                        

 しょうがとトマトを抜いたシンプルなバージョンは、こんな感じになります。                                                         

 

 

 

 

ロールドオート

 ロールドオートの水煮は、すぐにつくれて、冷蔵庫の残りもの整理もしながらおいしく食べられる、とても安上がりなお料理です。                                     

 

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 食べてみると、からだがいたわられるような優しさを感じるはずです。              

 前日に暴飲暴食したり、体調が悪かったり、胃が荒れたりしていて食欲がないときにも、ロールドオートなら、からだが喜んで受け入れてくれる気がします。

 また、栄養的にも非常に評価の高い食材です。

 

 

 

 

Photo_4 ロールドオートは、オート麦の外皮(ふすま)をとり除いてからローラーにかけて押しつぶし、押し麦状態にしたものです。

 オート麦商品としては、お湯をかけてかきまぜるだけでオートミールができあがる「インスタント・オートミール」と呼ばれるものもあります。

 加工度の低いロールドオートの方が、オート麦の栄養素が豊富ですし、麦の風味が残っていておいしく食べられるのでお勧めです。 

 

 

 

 

Photo_2

  オート麦は、コレステロール値を下げる助けになることが分かり、米国では1980年代の後半から大ブームになりました。

 1997年には、米国食品医薬品局(FDA)が、オート麦にふくまれる食物繊維によって心臓病のリスクを下げられることを認め、商品表示を許可しています。

 これによって、オート麦が心臓の健康にいいという評価は確立されたと言えます。

 

 

 

Photo_3  オート麦に含まれる食物繊維は、便通をよくする助けにもなります。

 ロールドオートの水煮を食べる習慣がつくと、初めに実感しやすい変化は便秘が解消されていくことかもしれません。

 ロールドオートも十分に食物繊維の豊富な食品ですが、オートブラン(オート麦のふすま)はその上をいく食物繊維のかたまりです。米国では、もっとも人気のある食物繊維サプリメントの一つです。                                                     

 

 

 

 

Photo_6  オート麦に豊富な食物繊維には、糖質の消化・吸収を遅らせる働きもあります。

 糖の吸収スピードをはかる物差しとなる「グリセミック指数(GI指数)」で見ても、ロールドオートは玄米ご飯とほぼ並んでいて、穀物の中ではかなり遅い方だと言えます。

 糖の吸収スピードは、誰にとっても遅い方が望ましいものです。

 特に血糖値が気になる人、体重を減らしたい人、スポーツ選手などには、ロールドオートは利用価値の高い食材になるでしょう。         

 

 

 

Photo_5                                                              

 この表の中でグリセミック指数がいちばん低いのは「全粒粉パスタ」。あまりお店でみかけないアイテムですが、「もやし研究会」で販売しています。                                                                       

 ちなみに、ふつうのパスタでも、芯の固さをわずかに残したゆで方(いわゆるアルデンテ)にすると、糖の吸収スピードを遅らせることができます。

 やはり伝統的に好まれてきた食べ方だと、おいしいだけでなく、栄養的にも望ましいということですね。                                                           

 

 

 

ロールドオートの水煮

  ロールドオートは、ローラーで押しつぶしたオート麦の押し麦です。

 加工度が低く、栄養価が非常に高い。おまけに軽く煮るだけですぐに食べられる貴重な食材です。

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1 基本の材料(1人前)

ロールドオート:カップ半分くらい。量は食欲と相談して調整してください。

トッピング:いろいろ。その時冷蔵庫に入っているものや、残りものでOKです。  

 

 

 

 

 

 

 

2 作り方                       

 ロールドオートと水を鍋に入れてふたをして弱火にかけます。                  

 水の量は、ロールドオートの3倍くらいが目安。                         

 水の量を増やすとおかゆに近い状態になります。                      

 

 

 

 

3  5分前後煮ればできあがり。

 これだけで調理は完了なので、忙しいときに大助かりの料理です。

 時間のない朝に。

 ちょっと小腹がすいた時の間食に。

 夜遅く帰宅したOLさんなら、お化粧を落としているあいだに夜食がつくれますよ。                                                                                                                                                                                                 

                                                                                                                                                                                           Photo                                      

  何も加えずにそのままでも食べられます。                             

 もちろん、好みで塩味をつけてもかまいません。

 

 

 

 

 

Photo_2  梅干しやイカの塩辛など、お茶漬けの具は、どれもよく合います。

 

 

 

 

 

、                                                                                                                                                                                                                                                                   

4_4                                                         

 タラコ、ちりめんじゃこ、刻みのり。                

 我が家では、「大名コース」と呼んでいます。

 

 

 

 

 

 

9

 水を多めにして、中華粥風にしてみました。

 トッピングは、パリパリに焼いた油揚げと、松の実です。

 

 

 

 

 

 

5_4                             

 残りものの料理が冷蔵庫に入っていれば、トッピングとして有効利用できます。

 はんばに残ってしまった野菜があれば、ロールドオートと一緒に煮て使いきることもできます。ここでは、しめじを入れてみました。

 

 

 

 

6_2   

 しめじと一緒に煮たロールドオートに、トッピングは大豆のもやし。

 豆類を一緒にとると、栄養的に一層充実します。                                                                               

 

 

 

 

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