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脂質14:短鎖脂肪酸の働き

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 upwardright 短鎖脂肪酸の仲間たち(炭素数6以下を短鎖脂肪酸とする分け方もあります)。
 このうち、胴体の数(炭素の数とも言う)が1個の蟻酸と2個の酢酸は、あぶらとしての性質はほとんどなく、酸の性質が強いです。3個のプロピオン酸から、少しあぶらっぽくなってきますが、それでもかなり酸っぽさも残っています。
 完全にあぶらっぽくなるのは炭素数4個の「酪酸」からなので、酪酸からが脂肪酸として扱われていることも多いです。

 さて、短鎖脂肪酸には大事な働きがあります。
 腸を元気にすることです。

 
 腸を健康にすることが、からだ全体を健康にする上でとっても大切なことは、方々でお聞きになっているのではないでしょうか?
 では、腸を元気で健康にしてあげるためには、何をすればいいのか?
 まず大切なのは、腸を作っている細胞たちへ、しっかり食糧を与えてあげること。そして、短鎖脂肪酸は、大腸にとっては主食と呼べるほど大切な食糧なのです。

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 腸は大きく分けて二つのパーツからできています。
 上にあるのが小腸。下が大腸です。

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 小腸の細胞には、血液をとおして、エネルギー源となる食糧が供給されています。

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 大腸の細胞の場合、エネルギー源の約70%は、単鎖脂肪酸が使われています。
 食べたものが大腸の中で分解されてできた短鎖脂肪酸が、そのまま大腸の食糧として利用されているのです。

 つまり、小腸の細胞には食糧がいつでも配達されているのですが、大腸の細胞の場合、「お前らは、はらがすいたらその辺にあるものを適当に採って食べとけ」という境遇で暮らしているのですweep
 長いあいだ人間が食べてきた食事では、大腸の中はいつでも短鎖脂肪酸が大漁の状態になっていたのでしょう。そのため、大腸の細胞にわざわざエネルギー源となる栄養素を供給する必要がなかったのだと思います。
 そういう仕組みになっているので、大腸の細胞たちに元気に暮らしてもらうためには、十分な単鎖脂肪酸をもたらしてくれる食事をする必要があります

 短鎖脂肪酸には、大腸の細胞の食糧になる以外にもいくつも働きがあります。簡単にまとめておきましょう。

5 一部の短鎖脂肪酸は腸から吸収されて、からだの中でエネルギーをつくるために利用されます。

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 特に酸の性質の強い酢酸などは、大腸内のpHを下げて、酸性側に傾けてくれます。そのおかげで、腸内での腐敗が起こりにくくなったり、有害な微生物が繁殖しにくくなったりします。

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