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脂質29:脂肪酸の酸化 その2

 脂肪酸を酸化させる元凶になるのが、活性酸素です。

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 水の分子です。
 水素と酸素はこのかたちでつながると安定します(忘れてしまった方は、脂質23をご覧ください >>

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 こちらは、「ヒドロキシラジカル」。もっとも反応性が高く、もっとも危険な活性酸素です。
 構造的には、水分子から水素が一つ外れただけ。それだけで、手をつなぐお相手を強引に奪いとる危険分子になってしまうのです。

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 活性酸素のターゲットになりやすいのが、不飽和脂肪酸です。
 炭素の二重結合の部分が、比較的水素を奪いとりやすい状態になっている2 からです。

 活性酸素が、今まさに水素を奪いとろうとしているところ。

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 水素を奪うと、水の分子になります。やんちゃだった活性酸素もすっかり落ち着きます。
 問題は、脂肪酸です。
 相手のいない手が一つできてしまい、不安定な「脂肪酸ラジカル」になってしまいます。

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 何事もなかったかのように立ち去っていく水の分子。
 残された脂肪酸ラジカルの運命は...

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 何としても握手するお相手をみつけて、安定したい脂肪酸ラジカル。
 新しいお相手として、近くにいる酸素分子を引き寄せます。

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 酸素分子が握手している様子を書いてみました。こんな感じに二重に結合しています。

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 脂肪酸ラジカルは、一本の手を奪いとるように握手。
 今度は、別の位置にお相手のいない手ができてしまいます。

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 握手の手をはぶいてスッキリさせるとこんな感じ。
 ちなみに、この状態の脂肪酸は「脂肪酸ペルオキシラジカル」と呼ばれ、とても不安定で活性が高くなっています。

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 脂肪酸ペルオキシラジカルは、どうしてもお相手がほしい、猛烈にほしい!
 そこで、お隣にいる不飽和脂肪酸に手を出してしまいます。

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 水素を一つ奪いとると、不安定な気持ちはひとまずおさまります。
 でも、酸素分子がたんこぶのようにつながってしまったため、「過酸化脂質」となってしまいます。
 この過酸化脂質がいわゆる酸化した有害なあぶらの分子なのです。

 一方、ここで水素を奪われた脂肪酸は脂肪酸ラジカルになります。

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 この脂肪酸ラジカルは、さっきと同じように酸素分子と反応します。
 最終的には自分は過酸化脂質になり、お隣には新たに脂肪酸ラジカルがつくられ...という無限ループになり、過酸化脂質がどんどん作れてしまうのです。    

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