脂質24:不飽和脂肪酸の分子構造
水素のお相手は1人、酸素は2人、炭素は4人というルールにそって原子がつながっています。
お互いに2本の手でつながっています。複数の手をもつ原子なら、こういうつながり方もアリなのです。
では、以上のお話をふまえて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いを見てみましょう。
飽和脂肪酸のまんなかあたりを切り取ってみると、こんな原子の並びになっています。
飽和脂肪酸の胴体は、どこをとってもこれと同じパターンでつくられています。炭素が一列に連なり、その両側に水素が整然と並ぶかたちです。
ここから、一部の水素がはずれることがあります。その結果、炭素には、お相手のいない手ができてしまいます。
炭素は4人の相手と手をつながなければ安定しませんから、この状態では落ち着きません。
どこかにいい人はいないのか??
そこで、どうなるかというと...
なんだ、すぐ隣にいたじゃん!
ということで、炭素同士が2本づつの手でつながりあって、無事に安定します。
このかたちの結合が、「炭素二重結合」と呼ばれています。
炭素二重結合が一つでもある脂肪酸が、「不飽和脂肪酸」と呼ばれています。
このイモムシは、オリーブ油などに多いオレイン酸。
不飽和脂肪酸はこのように、二重結合の部分でからだが折れ曲がるかたちになります。
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