脂質30:脂肪酸の酸化 その3
前回(脂質29)のポイントを、別のイラストでおさらいしてみます。
平和に暮らしていた脂肪酸A。
ある日突然、活性酸素がやってきます。
水素を一つ奪われてしまった脂肪酸Aは急に落ち着かなくなり、近くにいる酸素をつかみ取ります。
酸素をつかんでもまだ落ち着かない。ついお隣の脂肪酸Bに手を伸ばしてしまいます。
これで脂肪酸Aはとりあえず落ち着きますが、過酸化脂質になってしまいます。
同時に、今度は脂肪酸Bにお相手のいない手ができてしまいました。
お相手をむりやりつかみとった脂肪酸Bは、最終的に過酸化脂質に。
今度は、お隣にいた脂肪酸Cに相手を求める手ができてしまいます。
このようにして、過酸化脂質が次々に作られます。
最初のきっかけになった活性酸素は一分子だけなのですが、その一分子によって、たくさんの過酸化脂質が作られてしまうのです。
からだの中には、脂肪酸がびっしり集まっている場所があります。
たとえば、細胞の外側をおおっている細胞膜もその一つです。 細胞膜をつくっている脂肪酸の一つが、活性酸素の攻撃によって過酸化脂質に変えられたとします。
お隣にいる脂肪酸も過酸化脂質に変わり、そのお隣も、またそのお隣もと、過酸化脂質が拡大していきます。
何かが止めてくれないと、過酸化脂質が山火事のような勢いで広がってしまいます。
(細胞膜のイラストの出典:http://www.docstoc.com/docs/84295778/Membrane-structure_-I)
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