ヨガ的食生活

一番大切なのは、皿洗い

 ヨガ教室では、ヨガのポーズ(アーサナ)のやり方だけでなく、今という瞬間に意識をもって集中することの大切さを学びました。

 アーサナをやりながら、吐く息、吸う息に意識をもつ。
 からだの中にギューと入ってくる刺激に意識をもつ。
 その瞬間瞬間に意識を集中する練習をします。

 こうして養った「意識を集中する力」は、日常生活でいかしていきます。
 仕事をしているときも、遊んでいるときも、その瞬間に集中。
 こうして、日常のすべてを豊かな時間にすることを目指すヨガクラスでした。

 もちろん、食事のときにも、意識をもって、集中して食べることが大切です。
 ヨガ的食生活のステップ1はテレビを消すこと。
 ステップ2は、意識を集中して食べることです。

 ベトナム出身の平和指導家、ティク・ナット・ハンは、『マインドフルの奇跡』の中で、意識を集中した食べ方について、次のように書いています。Amason ではこちら >> (すごい高値がついてますねcoldsweats02 )。

 「何年も前、ジムといっしょにはじめて合衆国を旅したときのことです。木の下に座り、ミカンを分けあって食べながら、ジムはこれからすることを話し始めました。心踊る計画を考えるときの常で、彼は自分がしていることを完全に忘れて、話にすっかり夢中になってしまいました。
 そのときも、ジムはミカンの一袋を口に放りこみ、噛みもしないうちに、もうつぎの袋を口に入れようとしました。ミカンを食べていることなど、まるで意識していなかったのです。
 わたしはひとこと、
 「まず口の中にあるミカンを食べませんか」
 と言いました。その言葉で、ジムは自分のしていることにハッと気がつきました。それまで彼は、まるでミカンなど食べていないかのようでした。いわば未来の計画を「食べて」いたわけです。
 ミカンの中には袋があります。もし一つの袋を本当に食べることができれば、そのミカン全部を食べることができるでしょう。しかしその一袋すら味わえないとなると、全部のミカンを味わうことなどとてもできません。
 ジムにはそのことがわかりました。彼はミカンを口に放り込もうとしていた手をゆっくりとおろし、口の中にあるミカンに心を集中しました。そしてそれをじっくり味わってから、つぎの袋に手を伸ばしたのです。」

 う~ん、ミカンでも枝豆でも、ついポイポイ口の中に放り込んじゃいますよね。
 何を食べるにしても、一口ずつ静かに味わえば、少しの量で満足しやすいし、食べ過ぎもなくなります。
 必要以上に食べ過ぎていたり、食べたものを満足に消化できていなかったりすることが、現代人の不健康さの一因として指摘されています。意識を集中して食べることは、どんなに強調してもしたりないくらい、大切なことなのです

 でも、意識の集中はけっこう難しくて、食事のときにいきなりやろうとしてもうまくいきません。
 だから、ヨガ教室に通って、練習するわけですねhappy01

 ティク・ナット・ハンは、手軽にできる練習として、皿洗いに集中することを勧めています。

 「ともかく、皿を洗うときは皿を洗うことだけをするべきです。つまり、皿を洗っていることにしっかり心をとめながら皿洗いをする、ということです。こういうと、ちょっと変に聞こえかもしれませんね。そんなに簡単なことを、どうしてこうも強調するのかと。しかし、これこそが大切な点なのです。」

 皿洗いって、一日にやることの中でも、一番どうでもよさそうで、一番適当にすませそうですよね。だからこそ、皿洗いがこの世で一番大切な仕事だと思って、心をこめることが大切なのです。それがうまくできれば、他のことにも心をこめやすくなります。
 皿を洗っているときに、わずらわしいから急いで片づけようとか、終わったらお茶でも飲もうとかの考えにとらわれているなら、あなたは皿洗いをしているとはいえない。その時間は本当に生きているとはいえないのだ、とティク・ナット・ハンは言います。

 「皿を洗うことができなければ、おそらくお茶を飲むこともできないでしょう。お茶を飲みながら他のことばかり考えて、手にしたカップなどほとんど気づきもしないからです。このように、わたしたちは未来に心を奪われ、このひとときを本当に生きることができずにいるのです。」

 お皿を洗うことができない人は、食事をすることもできないのでしょう。
 食事のひとときを本当に生きることができず、命のぬけがらのように口に食べものを運んでいるだけなのではないでしょうか。
 それでは、せっかく食べものにふくまれている栄養素もエネルギーも十分にとりこむことができないはずです。
 その状況を変えるには、まずお皿をちゃんと洗えるようになりましょうsign03

 ティク・ナット・ハンの勧める正しいお皿の洗い方のポイントをまとめてみました。
 特に、集中力が足りなくて何とかしたいと考えている方には絶好のトレーニングになるはず。ぜひ、お試しくださいhappy01

 急がず、ゆっくり丁寧に洗います。
 
心が他の場所にいかないように注意しながら、静かに呼吸をします。
 
目の前の皿洗いが、この世でもっとも大切なことだと考えましょう。
 
どの食器も、かけがえのない神聖なものだと考えましょう。
 皿洗いは瞑想そのものです。心をこめてお皿を洗えないなら、静かに座って瞑想することもできないのだと知りましょう。

 

 

 

ヨガ的な食生活 始めます!

 ときどき、「ヨガ的食生活」というテーマでも書くことにしました。
 ヨガ的な食事とは、エネルギーを意識した食べ方と考えています。

 こちらのブログでは、食品にふくまれる栄養成分について、生化学的な視点から書いてきました。
 一方、すべてのものにエネルギーがありますから、食品にもエネルギー的な側面があります。生化学だけにかたよって食事と栄養を語るのはバランスが悪いかと思いまして、エネルギーのお話もスパイス的に加味していくことにしました。

 ボクは栄養学のお仕事に30年近くたずさわっていますが、途中で栄養学への興味が薄れて道草をくっていた時期があります。そのときに何をしていたかというと、エネルギーの世界に首をつっこんでいました。

 小さな会社を起業して、生体エネルギーの数値を計測する機械を販売していたこともあります。でも、一台も売れずに、倒産してしまいましたbearing。 
 ありがたいことに、倒産後に買ってくださる方がポツポツと現れ、借金を完済することができました。

 また、ヨガ教室で素晴らしい指導者にめぐまれて、多少なりともエネルギーについて理解を深めることができました(そのヨガ教室はこちら >> )。

 今回はヨガ的な食事の1回目として、食事の内容を変えないまま、時間もお金もかけず、栄養素の消化吸収を格段に高める方法をご紹介しましょう。
 やり方は、簡単。
 食事をしているときに、テレビを見ない。新聞、雑誌を読まない。
 これだけです。

1  ヨガでは、からだに流れるエネルギーを5種類に分けて考えています。
 その中の一つ、「サマーナ気」は、食べたものの消化吸収をつかさどるエネルギーですが、視覚とも強い関連があります。
 ですから、食事中にテレビや新聞や携帯電話に熱中していると、本来は消化器官で利用したいエネルギーが目の方で使われてしまいやすいのです。

 これまで、食事中にテレビや新聞を見ていたなら、試しに食べることだけに集中してみてください。同じ料理と思えないくらい味が変わって、ビックリするはずです。
 味覚がきちんと働くと、からだの方も「今は食事をしているんだ」と認識できますから、消化酵素の分沁も正しく促されていきます。

 今回のイラストは、こちらのサイト のものを使わせていただきました。